『日中青少年芸術交流の夕べ』を終えて

佐藤典子舞踊研究所代表 佐藤 典子

 

 磐田市のゆやホールの舞台、客席一ぱいに広がって、満面の笑顔で手を繋ぎ歌い踊る日中の子ども達。満席のお客様の笑顔と拍手に包まれて私達は幸せな時を共有しました。


 「また、会いましょうね。」と遠ざかるバスの窓に手を振り続けたあの夜は、身体表現という共通言語を持つ世界で舞台を創ることに生きる幸せを、改めて満喫させていただいた『時』でもありました。
 
 振り返れば、私が中国浙江省の皆さんと交流をさせて頂くようになって、既に27年になります。其の間、沢山の方々にお世話になり、得難い経験を重ねました。その中でも、浙江芸術学校(現・浙江芸術職業学院)校長、蘆竹音先生をはじめ、杭州市青少年活動中心の先生方等、多くの優れた芸術家との交流は生涯の宝物です。

 

 当時は、古典芸術の専門校である浙江芸術学校は、既にクラシックバレエでは素晴らしい指導者は居られても、モダンダンスの先生は不在でした。蘆校長よりの依頼で私が手ほどきをすることになり、お付き合いが始まったのです。以来、“子ども達に教えたい”という私の希望も入れて下さって、活動中心の先生方や子ども達とも交流が続いて居ります。平成15年のNEW!!わかふじ国体開会式に参加して下さった芸術学校の生徒さん方の、美しい舞い姿をご記憶の皆さんも多いことと存じます。中国での『21世紀にむけた日中青少年芸術音楽祭in杭州 ’99』日本での『アジア・ジュニアダンスフェスティバルみんな集まれ!輪になって踊ろう』、『第24回国民文化祭・しずおか2009 第1部 この指とまれ 世界の子どもたち』等々、数多くの舞台、ワークショップを企画・参加させていただいています。

 

 今回の『交流の夕べ』は静岡県日中友好協議会のご指導のもと、磐田市及び有志の皆さんが『成功させる会』を結成、私共をバックアップして下さったおかげで、楽しい集いを創ることが出来ました。これからも両国の子ども達の未来が豊かなものであることを信じて、夢を紡いでいきたいと思って居ります。

再会を果たす佐藤典子代表(左)と鈕約団長(右).jpg

食通達を魅了してきた 杭州料理

 杭州料理は寧波料理、紹興料理と共に、中国八大料理の一つを形成する、中国を代表する料理の一つです。杭州市は古くから交易・観光地として栄え、国内外との交流を通して様々な味や調理法が伝わり、中国南北それぞれの料理の特徴が根付き、食通を魅了する老舗が多いことで知られています。「あっさり」とした味付けは杭州料理最大の特徴で、中国で注目されているこの「薄味」は健康志向に合致するため、中国国内で俄然注目されている料理となっています。塩味と軽い甘みも杭州料理の持つ、塩味と軽い甘みは日本人好みの味付けとなっています。

 

杭州料理の歴史
 紀元前2世紀、秦の始皇帝が南巡時に杭州で地元料理を堪能したといわれ、これが最も古い杭州料理の記述です。宋時代には、最も有名な杭州料理の一つ「東破肉」が誕生し、現在の杭州料理が形成されてきました。南宋時代に世界で最も繁栄する都市となった杭州では、西湖に浮かぶ船の上で杭州料理が出されたことが史書に記述されています。清の乾隆帝も杭州訪問時に杭州料理を堪能したことが史書に記されています。昨年9月、杭州市で開催されたG20で各国首脳に杭州料理が振舞われ、高い評価を受けました。
悠久の歴史を有し、「文化之邦」と称される杭州市で育まれた杭州料理は全ての料理に物語(一菜一典)があるといわれるほどです。

 

叫化鶏(ジャオホアジー)(別名・乞食鶏)        
 「叫化」は、「物乞い」を意味する言葉で、乞食が調理法を考案した料理とされ、その名が由来と言われています。下処理した鶏を蓮の葉でくるんだのち、さらに土で全体を包み、丸ごと炉で蒸し焼きにし、蓮の葉でくるんでいることで、肉は柔らかく、味が逃げず濃厚なうまみが出る上、蓮の香りもくわわわって、風味豊かなことが特徴です。

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東坡肉(ドンポーロウ)
 11世紀の詩人蘇軾(そしょく)は詩で政治を批判したとされ、浙江省杭州へ左遷され、その際、蘇軾は自身を東坡居士と名乗りました。 蘇軾は、西湖の治水工事を行い、周辺の田んぼの水量が安定するようになり、付近の農民から感謝の気持ちとして、大量の豚肉と酒が贈られました。 その際、使用人に作らせたことから、東坡肉と言われています。

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武漢棋院を訪れて、囲碁談議

                           日本棋院支部静岡県連合会会長 八木 勇

 

 静岡県主催の中国湖北省との草の根民間交流の打合せのため、7月8日(月)から12日(金)の4泊5日で武漢市へ行ってきました。武漢市は、人口1,012万人の大都市で、今あちこちで建設工事が行われています。近くに長江(揚子江)が流れ、郊外は湖や池が多く、緑が豊かでした。湖北省は漢中といわれ歴史が古く、殷周の時代から栄枯盛衰を繰り返し、三国時代の舞台となった「赤壁の戦い」の旧跡等があります。訪問団体は囲碁の他、県華道連盟、県吹奏楽連盟等、8団体で総勢21名でした。囲碁は私と、県庁囲碁同好会OB、県女性碁連盟幹事の3名で参加しました。尖閣諸島問題でギクシャクしているのは、国の問題であって一般のみなさんは、文化交流を望んでいるようで私たちは熱心な歓迎を受けました。

 

 第一日目は、全体会議と個別会議、2日目は団体毎に分かれての訪問でした。私たち3名と県庁担当者、湖北省外事弁公室の方々の5名で武漢棋院を訪れました。武漢棋院は東湖のほとりにある立派な建物で大小の対局室がありました。また、特別に日本式の洋室と和室の対局室があり足つきの厚い碁盤と碁笥が置いてありました。このような環境で碁を打てるのは楽しい思い出になると思います。湖北省囲碁協会の会長邵元州氏は元省政府の高官で話がどんどん進み、私たちは「春か秋の季節の良い時期に訪問したい」と話しましたら、大変喜んでいただけました。邵氏は、日本との交流を強く望んでいるようでした。特に静岡県は富士山があり、食が美味しいから是非行きたいと、食事会の席上役員10数名が集まり相談していました。

 

 現在、武漢に行くには武漢天河国際空港と富士山静岡空港を結ぶ直行便が週2回あり便利になりました。中国は、囲碁の歴史が古く、4千年前の堯・舜の時代にさかのぼります。多くの皇帝、武将、詩人が囲碁を愛し、たくさんの逸話、言葉が残されています。囲碁の別名は、爛柯、手談、鳥鷺、座隠、忘憂清楽等で故事にならっていろいろ付けられました。歴史ある中国との囲碁交流は楽しみで来年5月に訪問する予定です。

海鮮を活かした郷土料理 温州料理

温州料理とは
 温州料理は「甌菜」と呼ばれ、中国八大料理の一つ浙江料理を構成する四大流派の一角として中国でよく知られています。甌菜の名は温州の古称「東甌」に由来します。温州料理は多くのバリエーションに富んだ料理であり、最も多用される食材は近海鮮魚と周辺河川の淡水魚等の魚介類で、炒め物、スープ、あえ物、醤油煮等の素材の味を活かした料理法が多用されています。現在、温州料理には30種類以上の調理方法、250品の温州料理があります。
  
歴史と習慣
 温州の食文化は古くから栄え、史書の記述によると、二千年以上前から海産物を中心とした周辺の食材を利用して多くの料理が作られていました。また、温州料理は温州の民間食風俗を基礎として長く発展し、清代には既にその原型が形成されていたと考えられていました。当時、海鮮料理は広く流行していため、温州料理が大きな注目を集めることはありませんでしたが、中華人民共和国成立後の80年代には、多くの温州料理人の努力を経て、現在の温州料理が形作られ、その精巧で地方の特色溢れる料理は浙江料理の四大流派の一角として認められるようになりました。

 

 温州は独特な食習慣を有しています。温州では先ずはご飯類・麺類等の主食を食べてから、海鮮を中心とした料理が並ぶのが一般的で、その他の地域では少ない習慣です。

 

代表的な温州料理
三絲敲魚
温州の伝統料理である「三絲敲魚」は、近海魚やイシモチを材料とし、頭、尾、皮を取り除き、短冊状に刻んだものを木槌で打って薄くのばし、お湯で煮たものを調味料と合わせた料理です。現在ではこれに短冊状に切った鶏肉、ハム、椎茸、その他の野菜を加える場合もあります。
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温州魚丸
温州魚丸(魚のすり身団子)は温州市の伝統料理であり、温州水郷に住む人々の日常食です。透明なスープには僅かな酸味と辛みが感じられ、魚丸には弾力があります。比較的不揃いな形が温州魚丸の特徴で、1989年には「中華名軽食」に認定されています。

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浙江食紀行 塩・鮮・臭が味の決め手 寧波料理

寧波料理とは
 寧波菜は甬菜とも呼ばれる漢族の食文化を形成する重要な料理の一つです。海鮮食材の調理法に優れ、味は新鮮さと塩味の一体化を特徴とし、蒸す、焼く、煮る等の調理方法を多用しています。全国的に見れば浙江料理の1つという位置づけですが、寧波菜は「塩味」、「鮮度」、「臭み」によりその名を知られる地域の特色あふれる料理です。

 

寧波料理の歴史
 寧波市は19世紀初めに「五大通商港」の一つとして栄え、中国国内外の多くの人々が行き交い、それに伴い寧波の飲食業も大きく発展しました。この時代から多くの飲食店が店を構える三江口、江厦街で、寧波菜の代表的な料理「雪菜大湯黄魚」(雪菜とイシモチのスープ)、「剔骨鍋焼河鰻」(ウナギの煮つけ)、「氷糖燉甲魚」(すっぽんの甘煮)等が提供されるようになりました。その後比較的早い段階から上海で受け入れられ、清の光緒帝(1875年‐1908年)の時代には寧波料理を提供するレストランが既に上海にありました。寧波料理が他の地域の料理に比べて早い段階から上海で受け入れられた理由は上海料理との融合にあります。味付け、食材等の多くの共通点を有する二つの料理は互いの特徴を生かして進化し続け、改革開放後は浙江を代表する料理の一つとして国内外で高い人気を得ています。

 

寧波料理の三大特徴
塩味

 寧波は古くから漁業が盛んな地域であり、その海鮮類の保存方法として塩漬けが多用されてきました。そのため、寧波料理の多くに強い塩味が感じられます。


鮮度

 海鮮が豊富な寧波では鮮度の高い海鮮を味わうことができます。


臭み

 寧波料理の特徴である臭みは塩漬けによる発酵で発生します。代表的な発酵食品は臭冬瓜、臭里芋等があります。

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派手さを増す中国の現代葬儀事情

 中国では古くから、この世で幸福な人生を送ったらあの世ではもっと豊かな生活を、不幸な人生を送ったのなら、今度は豊かな暮らしを願い派手な葬儀を行う習慣がある。

 

 このような習慣は、中華人民共和国成立以降、政府が様々な観点から伝統的な葬送様式の改善を目指し、土葬を火葬に改めるように指導してきた。また、1985年の「殯葬管理に関する暫定規定」、1997年の「殯葬管理条例」の公布により、葬送様式、葬祭企業の運営が明確に制限されてきた。しかしながら、近年の経済成長により、人々が豊かになると、死者を手厚く葬るという中国の伝統的な思想が再燃し、以前にも増した「ぜいたく」な葬儀が行われるようになった。最近では数日間続く通夜に、数回にわたる宴会、更には特別に組み上げられた巨大な式場で大音量の葬送曲を流し続ける等、中国の葬儀は近年派手さを増している。

 

 葬儀業界は、中国では暴利業界と呼ばれている。その理由としては参入条件が厳しく、既存の企業が利益を独占していること、急激に都市化が進んでいる中国の都市部で、都市計画中に墓地の用地を考慮していなかったため、墓地が高騰していること、伝統的に不吉な職業だという認識が強く、常に人材不足であること等が挙げられる。

 

 上記の理由等から、葬儀費用は高騰し、また豪華さを追求する現代のニーズによって、いつしか暴利業界と呼ばれるようになっている。

 

 暴利問題だけでなく、現代の葬送様式は環境にも大きな影響を与えている。埋葬場所の不足から、法律で禁止されている公園、耕地等、更にはダム、水源地域にまでに墓地が乱造されている。また、棺桶に使われる木材は遺体と共に焼却されるため、処分される木材は膨大な量に上る。こういった様々な観点から、政府は葬儀の簡素化を呼び掛けているが、成果を上げられていないのが現状である。

 

 このような状況下で、都市部を中心にインターネットとの融合による「葬儀+インターネット」モデルが、今、注目を集めている。2014年に創業した「一空網」は数百社の葬儀関連企業と提携し、インターネット上で全国の墓地、葬送用品、葬儀に関する情報を提供している。また、2013年に設立された「彼岸」は「O2O」(オンラインtoオフライン)によって、各種葬送サービスを実店舗で体験した後、オンライン上で購入することができる。

 

※葬儀業界再解析、葬儀業界に存在する6大問題点等の資料を整理

中国訪日観光客を受け入れる旅行会社を立ち上げ 村松揚揚さん

やりがいを求めて日本へ

 村松揚揚さんは浜松市で旅行会社を経営する女性実業家です。大学卒業時に地元武漢で就職活動をしますが、当時の中国ではやりがいのある仕事を見つけるのは難しく、仕事内容も退屈だと感じたため、距離的にも文化的にも近い日本への留学を決めました。来日前は日本のことをまったく知らず、当時中国で放送されていた「おしん」が唯一の情報源で、ドラマ同様に貧しいところだと思っていたそうです。実際の日本については「非常に裕福で、人々のマナーも素晴らしいと感じました」と当時の印象を話してくれました。

 22歳で来日、浜松市内の日本語学校で日本語を学び始めました。来日当初の生活については「来日直後の1年は本当に苦労しました。言葉もできず、物価の高い日本での生活も苦しかったです」と振り返ってくれました。それでも、来日1年半という短期間で日本語検定1級に合格、このころを境に生活にも馴染み始め、日本を楽しむ余裕が生まれたそうです。日本語習得については「日本語の習得はとても難しかったです。特に文法と漢字の読み方に苦労しました」と、当時が想像できないほど完璧な日本語で答えてくれました。


思い立ったらすぐ行動、旅行会社星揚株式会社を設立!

 中国語教師や通訳等を経て、浜松市内の企業に就職し、中国との取引で活躍しました。その後、2006年には旦那さんのオランダ駐在に伴い、しばらくの間オランダ生活をしました。その機会にヨーロッパ中を見て回り、旅行の素晴らしさに改めて気付きます。2010年に日本に戻ると、中国の人々にも旅行の素晴らしさを味わってもらうため、また、中国国内では気づきにくい国際的なマナーや習慣の違いを日本で感じ、改善してもらうため、旅行会社を立ち上げました。現在の会社の経営は「円安元高等の影響を受けて、中国からの観光客が急増しており、会社の経営も好調です」とのことで、現在の仕事のやりがいについては「お客さんが喜んで帰っていく姿を見るのが何よりのやりがい。この笑顔の為に仕事しています」と話してくれました。

 今後については「浜松はとても住みやすいところで大好きです。食べ物も気候もとてもいい。特に鰻とメロンは最高ですね。それに、浜松の人は外国人に慣れていて親切です。この先も出来る限り浜松に滞在するつもりです」と展望を語ってくれました。

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静岡県寧波市囲碁交流団に参加して

                                     三島市役所会計管理者 加藤健一


 去る9月21日から25日まで、4泊5日の日程で「静岡県寧波市囲碁交流団」に参加いたしました。私の浙江省訪問は7年前の浙江省囲碁交流団以来です。当時の富士山静岡空港は閑散としていましたが、久しぶりに空港に来て、溢れんばかりのお客でびっくりし、更に静岡空港の出野社長にお見送りいただき、恐縮しました。「すごいぞ」、富士山静岡空港が盛り上がっていると実感いたしました。

 

 囲碁は中国から韓国や日本に伝わり、別名「手談」とも呼ばれ、言葉が通じずともお互いの考えが手に取るようにわかる、国際交流にはもってこいの頭脳スポーツです。また、中国のみならず韓国からも参加ということで、貴重な経験となりました。

 

 訪問先の寧波市は浙江省の副省級市で、市とはいえ、面積約10,000、人口764万人という巨大都市です。訪中2日目は市内視察でしたが、曹洞宗の開祖・道元禅師も修行された天童寺、インドのアショーカ王ゆかりの阿育王寺を見学しました。市内移動に、高速道路を使うとは、中国の広さが身に染みました。

 

 試合は、中国から上海市、寧波市、韓国から済州道、順天市、日本から静岡県、奈良市、益田市、日中文化交流協会の計8チームによる団体戦。交流試合とは言いながら、そこは碁打ち、皆闘志満々。団体戦は、日本ではチームごとの対戦ですが、中国では個人成績の合計でチームの順位が決まります。結果はエース佐藤君の活躍で静岡県が優勝、上海市が準優勝、個人は佐藤君優勝、不肖、私が準優勝という結果でした。正直、中国と韓国が本気で対応されたらひとたまりも無かったはずですが、友好第一で大人の対応をしてくださった結果かと思います。

 

 2018年の2月11日から18日には、静岡市や静岡商工会議所などが主催で、世界中の囲碁ファンをもてなす「徳川家康公記念世界囲碁コングレスin静岡」開催を予定しており、家康公と囲碁、静岡の魅力を世界にアピールする大会とするべく準備中です。私も囲碁を通して、今後も日中友好のお手伝いができればと改めて思いました。

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紹興酒と濃厚な味つけ 紹興料理

紹興料理とは

 紹興料理は中国8大料理の一つに数えられる浙江料理を形成する重要な要素であり、江南地区水郷文化の特色を色濃く反映させた料理です。紹興料理は淡水魚、海老、家禽と豆類を主な材料として、サクサクとした食感、素材の味を活かしたスープ、油を極力使わず、辛みを抑えた濃厚な味付けが特徴です。新鮮な食材と塩漬け、燻製食品を一緒に調理することが多く、濃厚で甘く、長く続く余韻が当地の名産紹興酒に良く合います。
 一度食べたら、好きになってしまったという日本人も多い、中国では臭豆腐の本場は浙江省の紹興と湖南省の長沙です。紹興市内で最も有名なレストランの一つである「咸亨酒店」は魯迅の小説『孔乙己』に登場する居酒屋を復元した店であり、魯迅作品ファンだけでなく、紹興料理、臭豆腐を味わう人たちでいつも賑わっています。

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紹興料理の歴史
 山海の幸に富む紹興は古くは越の名で呼ばれ、春秋戦国時代から栄え、飲食文化もそれに伴い発達してきました。紹興料理で最も有名な料理の一つ「清湯越鳥」はこの旧称に由来しています。晋代には多くの詩人が紹興に集まり、美酒と美食によって名作を誕生させ、南宋時代には、紹興は臨時首都となり、南北料理を融合させる役割を担いました。この「南北融合」は紹興料理にとって最も重要な変革となり、この時代から紹興料理は成熟期に入ったとされています。近代に入ると、紹興市内にレストランが立ち並び、紹興料理は郷土料理から一つ流派としての地位を確立します。現在、紹興料理はこれまでにない繁栄期を迎えています。干菜肉、清湯魚圓等は代表的な紹興料理として国宴でも提供さています。

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「双十一」中国最大の販促イベント

                                                               静岡県中国駐在員事務所

 

 「双十一」とは、11月11日を指す言葉であり、アラブ数字の「1」の形が4本のつややかな棒に似ていることから、11月11日を「光棍節」(独身の日)と呼ぶようになりました。もともとは若年層の間で流行した娯楽性の記念日でしたが、インターネット等のメディアを通じて瞬く間に多くの一般人に受け入れられる様になりました。その後、多くのビジネスマンが「光棍」(独身)の意味から外れた販促活動を行う様になり、徐々に現在の大規模販促イベントへと姿を変えていきました。

 

 「双十一」ショッピングイベントは当時の淘宝商城(現在の天猫)が2009年11月11日に行った販促イベントが起源で、当時の参加店は決して多くはありませんでしたが、売上額は当初の予想を大きく上回りました。そこで、天猫は毎年11月11日に大規模販促イベントを行うことを決め、中国全国民のショッピングカーニバルとなりました。

 

 アリババの発表によると、2016年の「双十一」販促イベントでは、開始僅か6分58秒で天猫の取引額が100億元を突破しました。これは2015年の12分28秒を大きく上回るスピードです。最終的に2016年「双十一」販促イベントの取引額は1,207億元に達し、取引地域も235の国と地域にまで拡大、取引の約82%がオンライン決済によるものでした。今年の「双十一」1日の宅配受付件数は6.57億件に達し、物流各社に対する負担も大きくなっています。物流各社は事前準備を確実に行い、貨物機の振り分けを進め、オンラインショッピングの配送速度を向上させています。

 

 2009年の「双十一」販促イベント誕生以来、オンラインショッピングは日進月歩で進化し、毎年この1日は名実ともに全国民にとって盛大なショッピングイベントとなっています。眼下の景気低迷という背景の下、「双十一」販促イベントの旺盛な集客力と莫大な売上は中国のオンライン消費の巨大な潜在力を表しています。今、中国の小売業態に根本的な変化が起こっており、オンラインショッピングは以前のその他の小売業を補完する形態から、小売業の主流形態へと転換しています。

待ちに待った上海ディズニーランド開園

静岡県中国駐在員事務所

 

 多く人々が注目する上海ディズニーランドが6月16日に開園した。「夢の世界」の幕開けとなった開園式では、汪洋宣国務院副総理が習近平国家主席から届いた祝賀状を読み上げ、挨拶を行ったほか、韓正上海市党委員会書記も出席した。

 

 中国大陸初のディズニーランドとして、上海ディズニーランドは「中国色」を強く打ち出している。チャイナ服(中国風の模様がついたシルク製の上着)を着たミッキーとミニー、干支をモチーフにしたディズニーキャラクター等、園内は中国文化で溢れているが、これは他の地域のディズニーランドにはない特徴である。

 

 上海ディズニーランドにはディズニーの歴史において初めてのものが多数存在する。上海ディズニーランドの「魔法のおとぎの城」は世界のディズニーランドの中で最も高く、複雑な造りである。

 

 1ヵ月間のプレオープンでは入場者数が50万人を突破し、「ソアリン・オーバー・ザ・ホライズン」、「カリブの海賊」、「トロン・ライトサイクル・パワーラン」等の人気アトラクションは3時間から4時間待ちとなった。

 

 上海ディズニーランド周辺にも多くの見所がある。リゾート区内にあるディズニービレッジではショッピング、飲食、レクリエーション等を楽しむことができ、市内繁華街の陸家嘴には世界最大のディズニーショップが2015年5月20日に開店している。

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新しい娯楽、進化形″ミニカラオケ″

静岡県中国駐在員事務所

 

 インターネットの発展に伴い、従来形の娯楽は日に日に衰退し、客足が遠のいています。カラオケもその一つです。しかし、最近登場した一人用ミニカラオケは、徐々に人気が高まっており、若年層に受け入れられ始めています。

 

 このミニカラオケは通常、大型ショッピング施設の中に設置され、外見は電話ボックスに似ており、三面ガラスに覆われています。面積は約2u、内部にはヘッドフォン、マイク、操作盤、更にエアコン、換気システム等の専門的な設備が揃っています。遮音対策も万全で、外からは中の音を聞くことはできないようになっています。

 

 ミニカラオケは2人から3人で使用でき、操作は全て自分達で行いますが、これは従来のカラオケとの違いであり、ミニカラオケの優れた点でもあります。費用支払い及び選曲は全て微信(WECHAT)等で行うことができます。一曲歌い終わる毎に歌声を録音することもでき、インターネット上にアップロードし、他人と対決したり、友達に送ったりすることが可能で、現代の若者の自己表現欲を充分に満たしています。

 

 このミニカラオケは従来のカラオケより便利で、わざわざ時間を割いてカラオケに行く必要はなく、多くの人が集まるショッピング施設に設置されているため、順番待ち、待ち合わせの時間調整等の断片的な時間を利用して、自分の娯楽ニーズを満たすことができます。微信(WECHAT)にログイン後、選曲機を利用して、歌う時間を15分、30分に選択したり、1曲だけのカラオケを楽しんだりすることができるようになっています。ミニカラオケのストック曲数は豊富で、平均2万曲をストックしています。

 

 但し、ミニカラオケの費用は時間計算すると、決して安くなく、一般的に15分の使用で、20元から30元、選曲時間等を考慮すると1曲当たりの費用は8元から10元となります。それに対して、従来のカラオケはピークの時間で無ければ3時間で50元から60元で済みます。

インターネット及びスマート端末の普及に伴い、娯楽は既にIT化、断片化されており、ユーザーの断片化された時間に適応可能な自助型の娯楽方式は今後更に人気を集めると考えられています。

新商品開発で活路、中秋の月餅

静岡県中国駐在員事務所

 今年の中秋節は9月15日です。中秋節と言えば月餅ですが、今年は中秋節と国慶節が約2週間離れていることから例年のように国慶節の贈り物として使われず、月餅の「不作」年と呼ばれています。この状況を打破するため、各月餅メーカーが多くの新商品を開発したところ、消費者の人気を集めることに成功しました。 

 

 鮮肉(肉入り)月餅は上海月餅市場における主力商品の一つですが、今年は新雅粤菜館の篤鮮月餅と王宝和酒店のザリガニ月餅が特に人気を集めています。

 

 篤鮮月餅の材料と調理法は篤鮮(豚バラ肉と筍の煮込み料理)と全く同じであり、豚バラ肉、塩漬け肉、筍を材料としています。上海人なら1度は食べた事があり、目をつぶってもその美味しさを想像できますが、篤鮮は一般的に冬と春に作られるもので、夏に食べることはまれです。篤鮮月餅は価格も非常に庶民的であり、1個6元(約100円)ですが、販売量に限りがあるため、購入するには最低2時間は行列に並ばなければならないほどです。

 

 今年人気を博している王宝和のザリガニ月餅は、一つの月餅に4匹のザリガニが丸ごと入っています。製造方法が複雑なため、毎日100箱限定販売です。価格は1個15元(約230円)と手頃ですが、予約なしではほぼ購入不可能で、転売による取引額は1箱(12個入り)300元になるそうです。その他、和牛月餅、カスタード月餅等も人気を集めています。

一般的な鮮肉(肉入り)月餅.jpg

中国の食は大丈夫なのか!!

静岡県中国駐在員事務所

石井 亘

 

 上海に赴任するに当たり、多くの人から「中国の食品は大丈夫なのか」という質問を受け、同時に「外食は何が材料になっているかわからないので、安全な食材を買って自炊をした方が良い」といったアドバイスを頂いた。中国国内でこの数年間に発生した食品関連の不祥事は日本でも大きく報道され、中国に対するマイナスイメージを強くしている感がある。

 

 上海市は毎年2月に前年の食品安全状況報告(白書)を発表しているが、2014年白書は食品の安全は全体としては維持され、重大な事件は発生しなかったとしている。2014年の食品安全事件の主なものとして3件を挙げており、1)偽ブランド:健康食品、調味料、飲料水や豚肉を使用し牛肉製品として販売等 2)関連法規違反:工業用塩や使用を禁止されている添加剤を使用した加工肉類の製造販売等 3)不法行為:犯罪組織による麻薬を添加した食品の販売 が例示されている。上海市民の食品安全に関する懸念としては、1)食物中毒 2)病死した家畜肉の販売 3)偽食用油が使われた食品 が上位を占めている。3)の偽食用油は下水や食用油工場の排水中の油分を再加工し、食用油として販売された事件で、中国でも社会問題となったことから市民の心配も根強いようである。

 

 中国全体では食品安全の問題は依然として存在しており、5月に広西、広東省内で人体に有害な不純物を混入したものを純ラッカセイ油と偽って販売していた業者が摘発された。また、6月末に雲南省において、賞味期限後何年も経っている冷凍肉(中国国内では「僵尸肉(僵尸は硬直した死体の意)」という名称を使用)を運搬していたトラックが路上検査で発見され、調査の過程で同様の冷凍肉が中国の他地域にも多量に流通していることが明らかになり、現在連日報道されている。

 

 食品安全に関したこういった報道を見ると多少気にはなるが、外食に頼るしかない生活なので日本人の目から見るとお世辞にも清潔とは言えない食堂で毎日食事をしている。食事はおいしいし、今のところ病気にもなっていないが、気をつけていきたいと思う。

日系レストランが入店するショッピングセンター.jpg

「日中 新たな友好の絆を求めて・・・」

                     はままつチャイナ文化研究会代表幹事  坂本 豁
                            
 9月18日から23日の日程で、5年の月日を経て、久しぶりに浙江省を中心に訪問・研修いたしました。静岡県と中国浙江省とは、友好交流・促進を目指して、本年で34年を経過しまた、杭州市と浜松市とは、世界遺産「西湖」の繋がりから友好都市協定を結んでおり、訪問するたびに旧知の友人が温かく迎えていただき、いつも友好交流の大切さと親しみを感じるところであります。

 

 浙江省杭州市では、9月上旬にG20首脳会議が開催されたこともあり、基幹道路をはじめ社会基盤が整備され、樹木の新鮮な緑が通りに面し、街中全体が清潔感・清涼感にあふれていました。     

                     

 今回の最大の訪問目的である、杭州市に本社を置く中国電子商取引の最大手企業「阿里巴巴集団」(アリババグループ)の本社視察訪問であります。同社は1993年3月に総裁の馬雲(ジャック・マー)氏を先頭に18名で創業し、僅か23年で世界最大のオンラインマーケット企業に成長し 世界を席巻しております。本社訪問では、孫炯副総裁よりグループ全体の経営戦略を拝聴し、身体全体から溢れ出る熱意と活力・精力、何よりも「今」を大切にする時間の貴重さ・紹介画面に映し出される瞬時の数字を流暢な日本語で語り掛け、その訴える話力・身振りによる世界戦略は驚嘆の一言です。ネット社会における今後の経営の在り方を教わったわけですが、日本、特に中堅・中小企業は、独自の技術を磨き上げニッチの世界でオンリー・ワンを目指すしかないと感じ、参加者一同、視察訪問が出来たことが心に残る貴重なる体験でありました。

 

 杭州市と同様、浙江省海寧市も、中国最大の皮革製品市場「中国皮革城」を擁する地方の中核都市でありますが、上海地域とも連携し、企業誘致に力を入れています。今なお、発展途上の街であり近代化が進められておりますが、ここでも浜松に訪れた旧知の友人と時間を忘れて交流を図ることができ、更なる絆を強く意識いたしました。

 

 都市自体の近代化が進むとともに、世界遺産を擁する昔日の時代を保護する杭州市・紹興市・海寧市・上海市・蘇州市の都市を巡り、中国の歴史と文化を学び、グローバルの中で短縮する時間・距離を強みとする「今」を大切にする心を肌で感じ取り、日中友好の「絆」を継続して交流促進の一助となるべく、今後とも本会として活動していきたいと思うところであります。

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中国の地下鉄:この5年で杭州地下鉄も急速に拡充

 2012年から2016年の期間、合肥、南寧、東莞、福州、青島、南昌、無錫、寧波、長沙、杭州の10都市で地下鉄が新規開業し、地下鉄運行の都市は27市となった。杭州でも、5年前、2012年11月24日に浙江省初の地下鉄・杭州地下鉄1号線が開通した。

 

 中国の地下鉄営業キロ数は2倍以上の1,740キロも増え、合計で3,169キロとなった。年間旅客輸送量は、延べ87億人から160億9,000万人へ、1日平均では、2,400万人から4,408万人へ増えた。

 

 5年の間に、杭州地下鉄は2号線、4号線が相次いで開通し、現在、乗降駅数は3路線合計で62駅、路線は杭州市内8つの区をカバーし、1日の平均乗降者数は1号線開通当初の14万人から100万人に増加し、この5年間の累計乗客数は10億人を突破した。杭州地下鉄は既に杭州市民にとって無くてはならない交通手段になっている。

 

 2012年の1号線開通当初の総延長距離は僅か48キロ、現在は3路線合わせて93キロに延長されている。杭州地下鉄の総延長距離は全国33都市の地下鉄の中で、11番目に長い距離となっている。2017年末には、2号線第2区間、4号線第1区間が開通する予定となっており、開通後の総延長距離は117キロに達する。

 

 現在建設中の2号線第2・3工期、4号線第1工期南区間、5号線第1工期、6号線第1工期と杭州・臨安、杭州・富陽近郊鉄道の総延長は159キロに達する見込みである。その内、2号線第2工期、4号線第1工期南区間は間もなく完成予定。アジアオリンピックが開催される2022年までに地下鉄10路線が開通し、近郊鉄道2路線を含めた総延長距離は446キロに達する予定。

 

 2012年11月24日、開業初日の乗降客数は約14万人、5年後の現在、杭州地下鉄の1日の平均乗客数は104万人に増加している。2016年5月1日の乗客数は125万人に達し、1日当たりの最高乗客数を記録した。開業後5年間での累積乗客数は10億人を突破している。

 

 2017年7月3日、2号線西北区間が開通し、杭州地下鉄は更に便利になった。杭州市総合交通研究センターの発表によると、2号線西北区間開通後、杭州地下鉄の乗客数は大幅に増加している。また、2号線西北区間の開通によって杭州市街地の通勤ラッシュ時の自動車数が1日当たり約3,000台減っている計算になる。

 

※中国地鉄新時代・杭州地鉄5周年等の資料を整理

キャッシュレス社会を支えるシステム

 中国では、Alipay、WechatPAY等のサービスによって、キャッシュレス化が進み、今年1年でその総額は5倍に増え、日本円で1,000兆円に上ると予想されている。そのキャッシュレス化を支えるシステムが「芝麻信用」に代表される信用評価スコアである。

 

 「芝麻信用」は、Alipayを運営するアリババの子会社「蟻金融(Antogroup)」が運営するシステムで、政府と民間企業が協力して国民の信用情報を収集、分析し、個人の信用力を数値化しているものである。評価点数が高い人には、各種金融ローンの金利優遇やホテルのデポジット免除等、様々なメリットがある。

 

 「芝麻信用」は、2015年1月に中国人民銀行が認可した信用保障評価8社のうちの1社である。芝麻信用評価は点数制になっており、最低は350点、最高は950点となっている。評価は段階別に950〜700が「信用極好(非常に良い)」、699〜650が「信用優秀」、649〜600が「信用良好」、599〜550が「信用中等(普通)」、549〜350が「信用較差(やや劣る)」となる。

 

 高評価に認定されると、具体的にはクレジットカードの新規作成が可能、住居入居時の保証金が無料または減免。レンタカーやホテル宿泊のデポジットの免除等の様々なサービスを受けることができる。また、飲食チェーン店等で雨傘レンタルや携帯充電が無料で利用できるサービスや、シンガポールへのビザ手続きが簡略化され、スムーズに取得可能(700点以上)になる等のメリットもある。

 

 具体的な評価基準は明らかにされていないが、基準は「信用記録」、「購買・行動環境」、「履行能力」、「個人特性」、「人脈関係」の5つの指標から構成されている。「信用記録」はクレジットカードや金融機関から融資の返済記録であり、遅延の無い返済実績が高評価となる。

 

「購買・行動環境」はオンラインショッピング、金融商品の購入や水電気ガス等の公共機関への支払が安定しているかが評価されている。「履行能力」とは個人資産、「個人特性」は学歴、職歴、現在の勤め先、「人脈関係」は信用が高い人との交流等が関係する。

 

 一方で、「社会信用」システムは、基本的に実名登録が必要で、国民の資産情報や職歴はもとより、インターネットでの動きや発言、購入履歴等をデータ化するものであることから、国民の監視につながるのではとの懸念の声も聞かれる。

 

※中国信用評価等の資料を整理