中国経済の驚異的な発展に沿うように、ここ数年、世界的にも有名なテーマパークが中国で展開されるようになりました。上海と香港のディズニーリゾート、北京のユニバーサル・スタジオが代表として挙げられます。また、2025年には上海のレゴランドやハリーポッタ施設、海南省にはハローキティリゾート等がオープンする予定です。

 また、中国国内のレジャー志向の高まりと多様化に伴い、様々なテーマパークが作られています。昨冬より今冬にかけて話題になったのは哈爾濱の氷雪大世界です。1999年から冬に開かれているこのテーマパークは、「氷の都」と呼ばれる哈爾浜の特徴を活かしており、氷や雪で作った大型彫刻が展示され、氷の滑り台、スケート、氷上車などを楽しむことができます。北京の冬季オリンピック開催をきっかけとしたウィンタースポーツの流行と共に、アジア冬季競技大会開催を受け、2024年にはその面積が81万6682.50平方メートルに達し、「世界最大の氷雪テーマパーク」としてギネス世界記録に認定されました。

 テーマパークは、その地域の経済を活性化させ、地域の雇用を生み出し、旅行業界を向上させる効果が期待されています。2025年には既に50件を超える新たなテーマパークがオープンまたは建築中と発表され、その他約200件もの新たなプロジェクトが参入予定、とされています。今年オープン予定のテーマパークには、映画やゲームの世界を再現したものや、雪や氷、水族館や森林をテーマとしたもの等多岐にわたります。場所は長江デルタ地域・京津冀地域、特に粤港澳大湾区が多く、経済的に豊かで交通網が発達し気候が良く、若者の多い地域での開園計画が多いです。

 一方で、上海ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・北京のような知名度のないテーマパークは苦境に陥っていると言われます。日経新聞によると、中国にある385カ所のテーマパークのうち赤字が22%、損益ゼロが19%、約4割で利益が出ていないとのことです。中には、張家界の歴史テーマパーク大庸古城の去年1~6月のチケット購入者が1日平均13人、という極端な例もあったようです。

 実際に、香港ディズニーランド・リゾートは2005年に世界11番目のディズニーパークとして開園したものの、2015年赤字に陥ります。9年間の赤字が続いた上、2024年にやっと赤字脱却し、純利益8億3800万香港ドル(約161億円)を記録しました。浙江省湖州市安吉県にはハローキティパークがあります。ここはサンリオの初海外進出のパークですが、残念ながらアクセスが悪く、集客力はあまり強くなさそうです。

 テーマパークについてある研究によると、経営が比較的安定しているパークの収入構成は、一般的に入場料が30%、その他関連商品の販売が30%、宿泊や食事が40%となっていますが、2024年では、記念品や食事等の二次消費に対し10%-30%低下しており、消費者の財布の紐が固くなっていることが窺えます。

 2025年、テーマパーク経営を取り巻く環境が決して理想的とは言えない中でも、テーマパークブームは止まらないようです。それでも利益を出すべく、常に消費者を惹きつけ、生き残っていくパークに注目していきたいです。

南方Plus :「主題公園的“快楽経済”真香??」等を参照・整理