中国の春節は一週間にわたる長期休暇となり、「春運」と言われる民族大移動が起こります。近年は自家用車での移動が増していますが、飛行機での移動も増え、今年は旅客数9000万人に上りました。コロナ禍で一時期落ち込んだ航空利用者数もかなり回復してきました。

 現在、中国の航空会社は66社あり、うち貨物専用航空会社が13社(香港澳門含めない)あります。大手航空会社は4社は、中国国際航空(国航)・中国南方航空(南航)・中国東方航空(東航)・海南空港(海航)です。国航グループ下に深セン・北京・大連・山東・昆明・内蒙古等の航空会社があり、南航グループ下に厦門・重慶・河北・江西・珠海・貴州等、東航グループ下に上海・中国聯合・江蘇・武漢・雲南等、海航グループ下に首都・天津・西部・烏魯木斉・福州等の航空会社が属しています。

 4大大手航空会社以外にも、地方政府出資の航空会社で四川市・桂林市・青島市・西安市による幸福航空等が挙げられます。民間経営の航空会社では、春秋・吉祥・華夏・奥凱・東海・長龍・湖南・西蔵航空等があります。貨物専用航空会社では中国郵政や順豊航空等が有名です。

 2024年の旅客数ランキングを延べ人数で見ると、1位は南航1億1,500万人、2位は東航1億1,300万人、3位は国航8,452万人、4位は海航4,145万人となりました。一方、2025年1月に紹介されている飛行機の保有数を見ると、中国国内の飛行機総数は4,291機、南航が1位で648機、続いて東航654機、国航502機、海航219機、深?202機、四川200機、厦門154機、山東135機、春秋119機、吉祥101機です。(参考:2023年時点のJALの保有機数227機)上位3位は旅客数、飛行機保有数ともダントツに多く、中国国内の航空業界を大きく握っていることがわかります。

 最近、中国国内で注目されているのが、国産小型ジェット機のARJ21(現在名C909)や中型機C919です。C909は中国が自主開発したる初めてのジェット旅客で、2002年中国の第5次五ヵ年計画で開始されました。最初の航空機は2007年12月に完成し、その後2008年11月28日に上海大場空港で初飛行が実施されました。2016年6月成都から上海まで初の商業飛行を実施、2017年7月、中国民用航空局から生産証明を受け、正式に量産体制に移行、現在中国国内だけで数百機以上の注文を受け、1機あたり2700万から2900万ドルと言われています。C919は、2009年9月2日に試験機の製造が開始され、2017年5月5日上海空港を離着陸、初飛行は成功させました。2023年5月に東航が上海虹橋-北京首都間で商用飛行を実施、同月上海―成都間で定期便の運航を開始しました。中国は、C919をエアバスA320neoシリーズとボーイング737MAXの競合として位置づけ、その市場に食い込むことを期待しています。

 現在、中国国内の国産機の保有数はC909が145機、C919が16機で、南航はC909を33機、C919を3機保有、東航はそれぞれ26機と10機、国航は33機と3機、成都が総保有数81機のうちC909を30機、華夏は総数76機のうちC909を11機、江西は総数12機のうちC909を5機、天驕は保有7機すべてC909です。

 中国の国産飛行機が世界を飛び回る日は、近いのかもしれません。

環球旅訊:「我国57家航空公司:各有多少飛機?」等を参照・整理