流行語は、世相(社会現象)を象徴すると言われ、2022年の流行語から中国の社会をうかがい知ることができます。流行語は中国の急速な発展を表す反面、その疲れを癒すようなところもあるようです。

1.励奮発・勇毅前行 (風のように早く、勇敢に粘り強く前へ進む)

党のリーダーシップのもと、国民が一致団結して明るい未来を建設していこう、というまさにスローガン的な言葉が流行語のトップにあげられました。

2.中国式現代化 (中国式の現代化)

中国は鉄道やクリーンエネルギーといった各分野で中国は急速に現代化を進めています。先進国の近現代化との差別化を強調した言葉とも言えます。

3.新賽道 (新レース)

経済面で競争力を高めるために新しい道に進まなければならない、新技術の開発や新工程の模索などを推し進めることで、国を挙げてのレースです。

4.大白 (医療従事者に対する愛称)

コロナウイルスが猛威を振るう中、白い防護服に身を包んだ医療従事者が働いている様子が日本でも報道されました。その姿をディズニーのベイマックス(大白)に例えたことから始まったようで、白い防護服を着た人の愛称となりました。

5.煙火気 (暮らしの匂い)

日常が非日常になったコロナ期を経て、煮炊きの煙のような普段の生活を象徴するような言葉が人の心を慰めるものとして流行しました。汪曾祺の小説「人間煙火最撫人心」のヒットから広まり、入試の作文の課題などにもなりました。

6.天花板(見えない天井)

元々天井板を表す言葉が「トップクラス」を表す言葉として使われるようになりました。端整な顔立ちを「顔値天花板」、コミュニケーション能力に長けていることを「社交天花板」等と使います。

7.拿捏(受け身)

元々掌握する・弱みにつけこむという意味ですが、指先で相手をつまむイメージの動作を指します。魅力ある異性に「掌で転がされてしまった」というように受け身で使われることが多いようです。

8.雪刺客 (アイスクリームの刺客)

冷凍庫からアイスクリームを選んでレジに持っていったら思わぬ高値、でも会計も済む所で仕方なく支払う…安価な物の中に高価な商品を忍ばせるような消費者を欺く行為を「刺客」に例えており、十大ネット用語にも選ばれたユーモアのある言葉です。

9.精神内耗(精神的エネルギーロス)

機械の内部消耗になぞらえ人間の精神・心も消耗しますが、この言葉が流行した背景には2022年7月「村に帰って3日、叔父のおかげで精神の内部消耗が治った」動画の流行で、不自由でも積極的に生きる姿が感動を呼びました。

10.沈浸式 (没入)

近年、博物館で、メタバースで疑似体験をする「沈浸式体験」が流行しました。普段でもほかの世界を遮断して何かに没頭するような状態を「沈浸式」と表します。最適な読書環境で読書をする、化粧に専念する、なども「沈浸式」と言われます。

 

Courage blog「知っていると中国通!?中国の2022年度10大流行語を紹介!」を参照・整理励奮発・勇毅前行 (風のように早く、勇敢に粘り強く前へ進む)