醸造酒の一つである米酒は、もち米を原料に醸造した甘い酒を指します。蒸米、保温、発酵、蒸留、貯蔵とシンプルな工程ですが、これらの工程の背後には、酒造りの杜氏の経験と技術が必要不可欠です。浙江省では、寧波の白糯米酒が知られています。

冬に醸造されるもち米酒

冬に醸造されるもち米酒は、より一層芳醇で濃厚に仕上がり、より好まれます。江南地方には、冬至の日に一杯の米酒を飲むと、来年はより甘い日が訪れるという地元のことわざがあります。特に寧波の人々にとっては、旧正月(春節)のお祝いに、この米酒は欠かせないと言わしめるほどであり、各地で自家醸造の米酒を飲む伝統的な風習があります。

中国の米酒文化の長い歴史の中で、寧波米酒は輝かしい歴史を持っています。歴史的記述によると、約5,000年前、余姚の河姆渡人は飲酒活動があり、唐の時代より明州米酒(寧波米酒)は宮廷献上酒になりました。しかし、1970年代以降、国内の醸造会社がスピードと生産を追求するにつれ、伝統的な白薬発酵を小麦麹と根粒菌に置き換え、野外発酵を鉄樽と大型タンクに置き換え、現代の紹興酒を模倣し、徐々に「昔の味」を失っていきました。衣食住が豊かになると、農民は余った穀物を使って米酒を作るようになり、幸福な生活と豊作を象徴する冬至に米酒を作る習慣が次第に再び盛んになりました。

寧波美食に欠かせない「白糯米酒」

寧波の白糯米酒は、原材料に水・もち米・小麦を使い、寧波天河生態風景区の水源の水が良しとされ、アルコール度数10.5%程度の仕上がりになります。白糯米酒は、味付けが濃い寧波料理にもよく合います。また、料理の調味料として使われることも多くあります。

白糯米酒には、健脾開胃、舒筋活血、除湿消痰、補血養顔、延年益寿の機能があり、中高年者や虚弱者に適し、もち米の成分が漢方薬として甘性温、脾臓・腎・肺に入り、温胃健脾、益気止瀉、生津止汗を促して補益機能を強化するだけでなく、活血通絡の作用もあると言われています。