今、世界的に注目されている「デジタルツイン *デジタル空間上の双子」は、リアル世界にある物理的な「モノ」から収集した様々なデータを、デジタル空間上にコピー・再現する技術です。中国も国をあげて最重要視している分野の一つであり、既に数々の企業が「デジタルツインプロジェクト」に参入しています。リアル世界の事象をデジタルで再現するデジタルツインは、精度の高いシミュレーション・分析、未来予測を可能にし、都市においては、スマートシティを構成する技術の1つです。アリババの城市大脳(シティブレイン)、百度のApollo、バイトダンスのVRデジタルツインクラウドサービス、51WorldのデジタルツインPaaS(Platform as a Service)、ファーウェイの沃土、iFLYTEKの城市超脳など、大手企業が積極的に参入しています。

デジタルツイン技術を中国でリードしている企業、北京飛渡科技(Beijing Freedo Technology)は、知的財産権を持つ国産のデジタルツイン・ソリューションの提供を目指して、デジタルツイン基盤の開発に取り組み、都市レベルなどの大規模3Dデータの読み込み、リアルタイムレンダリング、シミュレーション、情報共有などの分野で先端技術を有しています。主力プロダクトに、デジタルツインプラットフォームや都市情報も出るプラットフォームがあり、都市、工業団地、空港、地下鉄、電気・ガス工事など幅広い分野で活用されています。また、地方政府とも連携し、深セン市、南京市、広州市、アモイ市、西安市などではデジタルツイン都市情報モデルプラットフォームの建設・整備を行っています。

北京五一視界数字生科技股有限公司(51WORLD)は、東方明珠塔や上海タワーなどの 20 以上のランドマークを個別にモデリングを行い、衛星、ドローン、センサーからの情報も使用してアルゴリズム的に無数の建物、道、水路、緑地のデジタル版を生成し、上海都市全体のデジタルツインを2020年9月に完成させています。今後、ほぼリアルタイムで更新される「真のデジタルツイン」を作り上げることを計画しています。

都市デジタルツインの場合は、都市開発のプランナーやエンジニアは、デジタルツインを検証してサービスの向上、開発計画、建物システムの最適化、交通量のモニタリングの知見を得ることができます。デザイナーは、ライブ状態の都市環境でバス停の位置や新しい居住地計画といったアイデアのシミュレーションを行い、その影響を事前に検証することができます。

中国は新インフラ国家戦略のもと、IPv6、NB-IoT、5Gなどのネットワーク構築を加速しており、2021年末時点で、中国が建設・開通した5G基地局は累計142万5000か所に上り、世界最大の5Gネットワークを構築して、5Gで低遅延化を実現し、IoTのスマートインターフェースがリアルタイムに情報を相互接続できるようになりました。これにより、都市のデジタルツインも、地理的情報センサー、衛星、ドローンやその他の情報ソースを活用し、リアルタイムで現実を反映し再現できるようになるため、例えば、複数のレベルで都市を正確にモニタリングし、都市のリスクを自動的に検出できるようになったり、デジタルツインシティにおけるガバナンスの意思決定を分析し、より低コストで試行したりして、実体都市のガバナンスを、逆に指導することができるようにもなります。

デジタルツインは、まだ生まれたばかりの技術ですが、人工知能AIや機械学習ディープラーニングも成長しているため、都市ランドスケープを変える大きな潜在的発展の可能性を持っています。  

 (36Kr JAPAN等を参考に整理)