浙江のお酒といえば、紹興酒を思い浮かべますが、中国を代表する蒸留酒である白酒も、浙江省で作られています。「同山焼」、「三白酒」、「紹興槽焼白酒」、「雁蕩山酒」、「金山陵酒」などの白酒があります。白酒は、紹興酒と違い、アルコール度数が高く、からみが強いのが特徴であり、ウイスキー、ブランデーと並ぶ世界三大蒸留酒の一つであり、種類も味も豊富です。

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「同山焼」

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浙江省諸曁市同山鎮は、白酒の産地として知られています。浙江省の白酒生産量は年間1万トンですが、そのうち同山焼企業で、年間4千トン以上の白酒が生産されています。ここで作られる「同山焼」は、清香型白酒の一つで、地元の特産品である高脚拐糯高粱を主要な醸造原料とし、醸造水は、地元の有名な水源が使われています。芳醇・濃厚で後味が良く、現地では「江南小茅台」と呼ばれています。伝統的な固体発酵の老五甑法を採用している同山焼醸造技術は、2500年以上の歴史があり、2009年には、浙江省の無形文化遺産に登録されました。同山焼は白酒ですが、醸造されたお酒は赤く透き通っているのが特徴です。お酒が赤いのは、蒸留が終わってから高粱の葉を入れていくからです。食感は甘く、五六十度で、同山酒は「酒中君子」とも呼ばれています。

「三百酒」

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嘉興市桐郷市烏鎮にも有名な白酒があります。700年以上もの歴史がある、特産の「三白酒」は、地元でしか飲めない銘酒として知られており、民間では「杜搭酒」とも呼ばれています。烏鎮の伝統的な三白酒醸造工房「高公生糟坊」は、清同治11年(1872年)に創始され、伝統技術を採用して醸造しています。「三白」とは白米、白麺、白水を指し、一定の割合、工程を経て作られます。完成品はアルコール度数55度と高く、純粋でコクがあり、甘い香りで口当たりがよく、辛くて癖になります。