コンビニは中国で「便利店」と呼ばれて、コンビニはいつの間にか日常生活に欠かせないものになっています。都市部では道を歩くとコンビニチェーン店が多数あり、無人店舗も見られます。お弁当等のちょっとした食料品やチケットの購入、トイレの利用等、都市生活はもちろん、車中心の生活の地域でも、どこにでもある存在になっています。

 

中国のチェーンストア業界団体「中国連鎖経営協会(CCFA)」が、コンビニ各社の店舗数ランキング「2022年中国コンビニTOP100」を発表しています。それによると、広東省発の「美宜佳(メイイージャー)」が3万8店舗で、前年の2位から1位となりました。運営会社の美宜佳有限公司は1997年の設立後、広東省の東莞市を中心に拡大発展を遂げ、ここ2年間で年間5,000店舗近くを新規出店しています。ほぼ広東エリアでしか見かけなかったのですが、華南、華中、華東等複数の地域、260都市、中国全土に出店し、地方ブランドに過ぎなかったのが全国ブランドになりつつあります。

 

逆に前年1位から2位になった国有石油大手、中国石油化工集団(シノペック)傘下の「易捷(イージエeasy joy)」は2万8006店舗、3位は国有石油大手の中国石油天然気集団(CNPC)傘下の「崑崙好客(クンルンハオカー uSmile)」で2万600店舗です。ともにガソリンスタンドを経営する会社で、中国全土で自社経営のガソリンスタンドに併設、運営・管理モデルを統一して展開しています。中国の国内高速道路網は発展中、自動車人口も更に増加するとみられ、ガソリンスタンドコンビニの利用人口も増えると考えられます。

 

中国にいるたいていの日本人にとって日本なじみのコンビニチェーンはありがたいお店ですが、ランクはどうかというと、5位「羅森(ローソン)」5,641店舗となっています。ローソンは1996年上海百聯グループと合資会社「上海ローソン有限公司」を設立、1997年に1号店を出店しました。出店スピードは比較的ゆっくりでしたが、2012年に「羅森中国投資有限公司」を設立し、上海ローソンを傘下におさめ、積極的に新規出店を図りました。その成果か日系企業としては店舗数1位となっています。

 

日本で店舗数の多いセブン-イレブン・ジャパンが運営する「7-Eleven便利店」は1,732店舗で第8位でした。北京・天津(2004年進出)、成都(2011年)ではセブン-イレブン・ジャパンの直接投資により店舗を展開、上海、広東はフランチャイズ運営をしています。上海地区はセブン-イレブンの台湾地区運営権を持つ「統一超商」が、広東(香港マカオを含む)は香港怡和集団(Jardine Matheson)傘下のDairy Farm International Holdings Ltd.,が運営しています。

 

10位に中国大陸全家の運営する「全家FamilyMart」が2,666店舗となりました。ファミリーマートは前年の8位から順位を2つ落としています。2004年に上海に進出、その後広州、蘇州と杭州に店舗を展開しました。2011年、「康師傅」等を傘下に持つ台湾頂新グループが、「ファミリーマート中国」の株式を取得し、日本ファミリーマートと台湾ファミリーマートに代わって、実質的に「ファミリーマート中国」が運営しています。

 

中国国内系の店舗が主に3・4級都市やロードサイトで展開しているのに対し、外資系のコンビニの多くが1・2級都市に集中し、商品や運営・管理方法も異なっているようです。中国に行った際にはコンビニ内をチェックするのも面白いかもしれません。

 

Note「「2022年中国コンビニトップ100」日経トップはローソン」等を参照・整理