2024年が始まります。

干支は辰(龍)年になり、十二支の中では唯一の空想上の生き物です。また、2024年は60年に一度の甲辰(きのえたつ)の年で、陰陽五行説によると「甲」は草木の生長を表し、植物が成長するように勢いを増して増えていくという意味があり、吉祥を表す辰(龍)とともに縁起がよく、昨年まで努力してきたことが実を結ぶ年、とも言われます。

古代中国では、十干は日を順に10日ごとのまとまりで数えるための呼び名でした。10日ごとに、「一旬(いちじゅん)」と呼び、3つの旬(上旬、中旬、下旬)で1ヶ月になるとして使われていました。その後、万物は「陰」と「陽」の2つに分けられ、「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素でできているという陰陽五行説を十干に当てはめるようになります。

日本では、この「陰」と「陽」を「兄(え)」と「弟(と)」に見たて、「兄弟(えと)」と呼ぶようになったといわれています。十二支は、60通りの組み合わせにより、古くから暦のように使われてきました。代表的なものが「還暦」で、60年で干支が一巡し、誕生年の干支に還ることが還暦の由来です。

中国では、春節(2024年は2月10日)を節目に十二支が巡っていきます。干支には、中国人の伝統文化や民俗に対する特別な感情が込められており、「干支経済」を生み出しています。春節近くなると十二支をモチーフにした年越し用品、装飾品、日用品が大量に販売されます。特に近年「中国ブランドカルチャー」の風潮があり、中国市場の消費拡大を反映しています。中国のこの春節民俗は隋・唐の時代に日本に伝えられました。

十二支は、元々12年で一周する木星の軌道の位置を表す単位で年を数えるものです。12種類の動物は中国で時を表す動物たちに由来しています。中国では、漢の時代から一日の24時間を12等分し、その12分の1の2時間を「時辰(龍)」と呼んでいました。

辰(龍)は、中国では9つの動物でできていて、角は鹿、体は蛇、腹は蛤、背中の鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛に似ていて、長髭を生やしていると言われます。中国の伝統文化では権勢、高貴、栄誉の象徴であり、幸運と成功のシンボルとされています。辰(龍)は中空を飛行して雨や雲を起こし、蛇の形をした稲妻を放つとされます。

また、古代においては、方位を青辰(龍)(東)、白虎(西)、朱雀(南)、玄武(北)と呼んでいました。その後、辰(龍)は次第に神格化され、皇帝のみが使えるものとなりました。皇帝は「真辰(龍)天子」と称され、辰(龍)の図柄がある長衣「辰(龍袍」をはおり、辰(龍)の装飾がされた「辰(龍)冠」をかぶり、「辰(龍)椅」に座りました。

60年前の1964年、日本は東京オリンピックが開催され、東京モノレールや東海道新幹線が開通しました。次の1976年はロッキード事件がありました。中国は1964年核実験を行い、次の1976年は唐山地震が起き、周恩来、毛沢東が相次いで亡くなり、苦難の年でした。

先行き不透明な昨今、2024年はどのような年になるのか、辰(龍)にあやかり、平和な良い年であってほしいと思います。

CRI online「中国の「十二支」の由来」等を参照・整理