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中国的まちづくり「特色ある町(特色小鎮)」

 「特色ある町(特色小鎮)」は、一定の面積、人口、経済規模を持つ、産業や観光、歴史文化、地理的優位性等をコアとして形成されるエリアで、世界の例をみると、ヘッジファンド等の金融サービス業が盛んなアメリカコネチカット州のグリニッジや、ロールスロイス社があるイギリスのシンフィン、ウィンザー城で有名なイギリスのウィンザー、アルプスの雪山資源をもとに療養、リゾート、国際会議、スポーツ等で有名となったスイスのエビアンやダボス等がある。1960年代、先進国では大都市の人口過密、農村の空洞化という構造が深刻化したため、新しい都市化建設がスタートし、2015年現在、日本、イギリス、韓国、アメリカの都市化率は、それぞれ93.5%、82.6%、82.5%、81.6%に達している。

これに対して、中国の都市化率は2016年現在57.35%で、大都市病(人口過密、交通渋滞、住宅価格の高騰等)、農村病(耕作放棄、空き家、過疎化等)の問題は依然として深刻である。このような背景の下で、国は優位性を持つ「特色ある町(特色小鎮)」を重点的に育成し、農業の現代化と農村の都市化を進めようとしている。2017年7月27日に、第2陣の「「特色ある町(特色小鎮)」リスト(全国276の鎮)を発表している。

中国における「特色ある町(特色小鎮)」の発祥地は浙江省である。2014年に、アリババグループを中心としたクラウド産業がコアとなる「杭州雲棲小鎮」(杭州クラウド(産業生態系)の街)が初めて取り上げられた。このように特定の産業をコアに形成される地域経済の新しい発展モデルが注目を集め、その後の中央政府による「中国「特色ある町(特色小鎮)」プラン」につながった。国レベルだけでなく、全国の各省でも、省レベルの「特色ある町(特色小鎮)」を認定している。

例えば、浙江省では、「特色ある町(特色小鎮)」の名前を行政区分とは関係なく命名している。前出の「杭州雲棲小鎮」は言うまでもなくクラウドコンピューティング、ビッグデータ、スマートデバイス等の産業がコアとなっている。蕭山市の中心に位置する「蕭山空港の街」は、蕭山空港という交通資源を基に、Eコマース物流をはじめとする「インターネット+」が非常に発展しており、産業構造転換のモデルとなっている。龍泉市西部に位置する「龍泉青磁の街」は、青磁と呼ばれる磁器の原料となる土資源を基に、民間の磁器製造が盛んなエリアで、歴史や文化をコアに都市建設を進めている。この他、金融ファンド+文化創意+観光を軸に建設を進めている杭州の「上城玉皇山南ファンドの街」、遠洋漁業を基礎とし、海洋サプリメント、海洋バイオ医薬品等の健康産業の発展をめざして建設を進めている舟山市の「定海遠洋漁業の街」等、様々なタイプがある。

「特色ある町(特色小鎮)」の建設には課題も存在する。財政が乏しい地方政府では、「「特色ある町(特色小鎮)」」を名目にすれば、プロジェクトの申請や予算を獲得が容易である。土地のない企業にとっては、「「特色ある町(特色小鎮)」」を名目にすれば土地使用権の獲得が容易となり、コストも抑えられる。このため、不動産デェベロッパーが、様々な産業を旗印に、大都市周辺の土地を大量に取得して開発を進めるが、肝心の産業誘致がそれに追いつかず、不動産が在庫だらけになるケースもある。一部の療養の街、スポーツの街、文化観光の街等では、宣伝ばかりで実質的には特色となる産業の基礎が伴なっていないために、最終的に失敗するケースがあるので注意が必要だ。

「百度百科等の紹介を整理」


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