静岡県日中友好協議会
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輸入ゴミ禁止令の余波

 「輸入ゴミ禁止令」は、中国は2018年1月1日から環境負荷の大きな4品種24種類の廃棄物(生活由来の廃プラ8品種、未選別古紙1品種、廃紡績原料11品種、バナジウムスラグ4品種)の外国からの輸入を禁止する措置をとった。これら原料となりうる固体廃棄物には、汚染物質や危険物質が大量に混入しており、それらが中国の環境に深刻な汚染をもたらしているとしている。

一方、近年、中国が輸入していた外国のゴミは、最もきれいなリサイクル資源であり、中国の都市で発生するゴミと比較し、輸入ゴミは選別がされ、多くの種類に区分されているので、中国のプラや古紙の回収業者であれば、間違いなく少し高いお金を払ってでも輸入ゴミを選択するであろうという見方もある。

廃プラに焦点を当ててみると、現状、中国の樹脂生産量は年間7700万トンで、中国国内の廃プラ消費量は1878万トンである。一方、2016年における香港、日本、アメリカ等の国からの廃プラの輸入量は、735万トンで、国産と輸入の消費比率は7:3と国産が大部分を占め、全体の樹脂生産量に対する輸入廃プラの消費割合はわずか9.5%に過ぎない。

廃プラの輸入禁止に伴い、中国向け廃プラの実質的な最大輸出国である日本ならびに日本の輸出業者がこうむる痛手は極めて大きい。(香港からの輸出の中には日本から香港経由で中国に輸出される部分も多く含まれる。)また、古紙も紙不足から現地価格が高騰している。

英国は環境目標を達成するため、ゴミの回収処理をコストの低い中国に依存しており、2012年以来、中国と香港へ累計270万トンの廃プラを輸出しているが、これが禁止されると、英国内の貯蔵能力はすぐに限界が来る。ベトナムやインドも、代替仕向け先としてはすでに飽和状態である。

中国企業にとっても、廃材を回収して再利用する方法が使えなくなれば、原材料を調達しなければならない。アルミを例にとってみれば、廃材を利用すれば、原材料の使用に比べて90%のエネルギーを節約できる。しかし、アルミ廃材が手に入らなくなれば、チベットの地に穴を掘ってアルミを採掘し、大量の二酸化炭素も排出しなければならなくなる。プラや紙の製造がもたらす二酸化炭素の排出量は、アルミほどではないが、それでもかなり多い。

2000年代半ばから、中国政府は、その多くが国有企業である鋼鉄や鉱業等、原材料業界への支援に力を入れ、一方では多くが民営企業である回収業界にはあまり目をむけてこなかった。これは、持続可能な経済高成長をめざし、エネルギーの効率化を図るという国策とは逆行している。
また、現在、中国政府は国民の愛国精神と民族主義を駆り立てようとしており、外国ゴミ輸入禁止令もその表れの一つであるとも言われている。

ここにきて中国政府は、従来輸入に頼っていた不足分の廃材を、国内ゴミからの回収率の引き上げと再資源化効率の向上で解決しようとしている。中央政府は各地方政府に対し、住民のゴミ分別徹底を促しているが、ゴミのポイ捨てが常習的に行われている現状では、一朝一夕に分別の徹底を図ることは困難であり。ゴミの分別と回収がいかに自分達の利益につながるかを国民に理解させ、納得させることが必要である。     

「中外対話、日経ビジネス等を整理」


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