「東数西算」の「数」はビッグデータを指し、「算」は計算力を指し、つまりデータに対する処理能力と計算力を指しています。これは、2022年2月に中国でスタートしたプロジェクトで、西部地区でデータ処理センターを建設し、東部地区の経済活動で生まれたデータとそれに対する需要を西部地区で処理するというものです。この国家プロジェクトは、北京・天津・河北、長江デルタ、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市圏)、四川省成都市・重慶市、内蒙古(内モンゴル)自治区、貴州省、甘粛省、寧夏回族自治区といった8地域で、国家計算力ターミナル・ポイント建設をスタートさせているほか、国家データセンタークラスター10ヶ所の構築を計画しています。


中国では、年々コンピュータ運用稼動の需要とそれに伴う電力需要が増大しており、それは特に中国沿岸部(東部地域)に中国のビッグデータセンターの大部分が分布しています。しかし、土地やエネルギーなどの資源が不足してきているため、東部で大規模な展開を続けることが難しくなってきています。一方、西部地域は再生エネルギー電力(風力・太陽光・水力発電等)の資源が豊富なため、データセンターを建設して、東部の計算力ニーズを引き受けることのできるポテンシャルを備えています。そこで、コンピュータ運用稼動と電力の需給バランスの改善と、カーボンニュートラルへの対処・国土の均衡ある発展を両立することを目的として、すなわち「東数西算」プロジェクトを実施することによって、データセンターの合理的な配置、需給の最適化、グリーン化の強化、相互接続を促進しようとしています。


国家発展改革委員会が発表したデータによると、2022年4月末現在、全国に10ヶ所ある国家データセンタークラスターは、25件のプロジェクトが着工し、データセンターの規模は標準ラック54万本に達し、計算力は毎秒1350京回を超えて、パーソナルコンピューター2700万台分の計算力にほぼ相当し、各方面で1900億元を超える投資を呼び込みました。そのうち、西部地域への投資は前年同期の6倍増加し、第14次5カ年計画期間には、ビッグデータセンターへの投資が毎年20%を超えるペースで増加し、各方面の投資は累計3兆元を超えることが予想されています。


プロジェクト開始を受けて、データセンターが続々と建設されていて、全国で計算力の 「1大ネットワーク」の構築が加速し、また多くの応用の分野でも新たな成果を上げています。例えば、貴州中雲データサービス有限公司が、広東省深セン市にある、テレビ・映画大型レンダリング業務を手がける企業瑞雲科技有限公司に、クラウドストレージの支援を提供するようになりました。これまでシングルフレームレンダリングは作品1つに100時間以上もかかっていたが、貴州中雲のスーパー計算力のおかげで、1時間から数分に短縮できるようになったといいます。今や、貴州は、世界で超大型データセンターが非常に多く集積する地域の1つになっており、域内総生産(GDP)に占めるデジタル経済の割合が34%に達しています。今では、ファーウェイ、テンセント、チャイナ・モバイルなどのデータセンターが続々と貴州に建設し、新しい応用シーンを次々に生み出しています。


「東数西算」、この国家プロジェクトを実施することは、データセンターの合理的な配置の推進、需給の最適化、グリーン集約、相互接続などにとって重要な意義があり、中国全体の計算力規模化集約化発展を実現するのに有利になっていくと考えられています。

(人民網などを参考に整理)