中国国内の動力エンジンを持つ車両数は、2021年9月の時点で3億9000万台に達し、そのうち自動車は2億9700万台。中国全体の運転者数は約4億7600万人、そのうち4億3900万人が自動車運転免許証を所持し、運転者総数の92.14%を占めている。2021年前の第3四半期の、全国の免許取得者数は2,672万人で、同比739.4万人増加し、38.26%伸びた。このうち972万人が第3四半期に新たに免許を取得した運転許可者である。年齢別でみると、26歳から50歳までの運転許可者が3億3700万人(70.85%)、51歳から60歳までが6699万人(14.07%)、60歳以上が1714万人、(3.60%)となっている。


世界各国で、電子運転免許証が広がりつつあるように、中国でも2021年6月から天津、成都、蘇州の3市で、電子運転免許証の試行を開始した。同年9月には上海、北京、天津、石家庄、長春、大慶、無錫、蘇州、塩城、泰州、寧波、嘉興、南昌、済南、青島、長沙、広州、深セン、南寧、重慶、成都、綿陽、自貢、南充、貴陽、西安、銀川、昆明の28市において、運転免許証の電子化が始まった。電子運転免許証を申請・利用している人数は、10月末時点で3200万人以上に上る。2022年からは、全国での運用を始める計画になっている。


これまでの中国の運転免許証は、紙ベース製で模様のついた反射素材でラミネート加工しただけのものだったため、偽物の運転免許証が出回ることもあった。電子運転免許証には、デジタル署名の偽造防止技術が採用され、電子運転免許証の専用アプリは指紋や顔認証でロックすることができる。統一性・即時性・安全性という3つの特徴があり、運転者の申請・提示・使用の利便性が向上する。電子運転免許証の発行は簡単であり、既に運転免許証を持っている場合は、「交管12123」というアプリをインストールして登録すれば、電子免許証が交付される。紙ベースの運転免許証と同様の法的効力を持ち、全国で有効。電子運転免許証は、正・副2ページから成っており、正ページには、主に運転免許証の基本情報、証明書の生成時間、情報を検証するための二次元コードと一次元コード(バーコード)などの内容が含まれ、副ページには、主に運転者の住所、証明書発行機関、運転記録および運転できる車種のコードなどの内容が含まれている。


運転者は、電子運転免許証を提示することで、車両管理、運転管理業務、交通違反や交通事故の処理などが可能で、紙ベースの運転免許証を提示する必要がなくなり、全てオンライン上で交通管理業務が行えるようになる。例えば、「交管12123」アプリでトラックの電子通行証の発行もできるため、申請手続きは簡素化され、紙ベースの資料を減らし、現代の流通システムの構築をサポートする。


運転免許証の電子化により、市場拡大が加速すると言われているのが、中古車市場である。これまで、省を跨いで中古車取引をする場合、2か所を行き来する必要があったが、オンラインで中古車取引の登録が可能になるため、中古車取引の促進につながると見られている。その外、保険金請求、レンタカー、求職などの際にも、電子運転免許証を提示すれば、関連部門が運転資格をオンラインで確認することができるようになるため、企業にとっても利便性が高まる。

(法治日報等を参考に整理)