中国は広大で人口が多いため、北方と南方、沿海部と内陸部、都市部と農村では、生活スタイルや考え方がかなり異なります。また、世代によって結婚観や働き方、生活の楽しみ方などに違いがあるようです。今年度は、身近な生活のシーンから、寧波の人々の世代間の違いを紹介したいと思います。

 ある休日の昼下がり、散歩がてら寧波の中山広場へ出かけました。広い公園をのんびり散策しようと思いきや、公園に近づくにつれて大きくなる中国語の歌声。なんと、大勢のシニアのみなさんが、大カラオケ大会を開いていたのでした。別の日、寧波市の中心部にある月湖公園へ行くと、ここでも大勢のシニアのみなさんが、歌いながらダンスを楽しんでいました。同じ場所で、早朝には太極拳、日中は囲碁を楽しむ人も少なくありません。

 中国では一般的に、女性は55歳、男性は60歳で定年を迎えます。定年後は、朝と夕方は孫の送り迎えなどの世話をしますが、それ以外は自由です。寧波のような都市部に暮らすシニア世代は、経済的にゆとりがあり健康に問題がなければ、趣味や娯楽に時間を費やします。最も人気があるのは、国内や海外への旅行です。若いころは働きづくめでどこへも行かれなかった分、引退後の今は、毎月のようにどこかへ出かけます。中には、寧波から海南島まで、自ら車を運転して1か月半の旅を楽しんだ方もいます。旅行の他に、シニア大学(寧波老年大学)に入学して、関心のある分野を学ぶ人々も多いようです。シニア大学は、引退後のシニア世代だけが入学できる学びの場で、書画芸術、文学言語、声楽、器楽、体育舞踏、医学保健などの分野があります。そこで知り合った人と、食事をしたり旅行に出かけたりと、交流の場はさらに広がっていきます。

 70代以上の方々は、戦争、文化大革命、改革開放と、激動の時代を生き抜いてきました。彼らにとって、一番の関心事は自身の健康です。結婚して家族を持つのは当たり前で、子どもや孫に囲まれ、にぎやかに過すことを望んでいます。また、現在の中国の経済発展は彼らの誇りです。シニア世代の人々は、生活に追われていた若いころを取り戻すかのように、健康で豊かな日々を、味わい楽しんでいるのです。

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【早朝の中山広場で太極拳】

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【寧波老年大学合唱団(建国70周年記念式典にて)】

寄稿:横井香織