生産、市場共に席捲する中国の民生用ドローン

ドローン(中国語:無人機)は、目的に応じて軍事用ドローンと民生用ドローンに分けられますが、ドローンは無線遠隔制御装置によって操作される無人航空機であり、センサー技術、通信技術、情報処理技術、制御技術、空力推進技術などの高度技術が組み込まれているハイテク機器です。

 

「ドローンって、アメリカのメーカーが主流ではないのか?」、「DJIって、アメリカのメーカーじゃないのか?」と思われるかもしれないが、世界の民生用ドローン市場の7割のシャアを占めているのは、中国の深で2006年に誕生した大疆創新科技(DJI)、純然たる中国企業です。

 

この深は、1980年代初頭にドローン勃興以来、国内のドローン企業の主要供給源であり、またドローンパイロット訓練機関が中国国内に約300か所ある中で、広東省が31か所で第1位、そのうち深が17か所で省内第1位と、今では世界で最も重要なドローンの生産拠点、訓練拠点となり、「ドローンシティ」として広く知られています。

 

シェア第1位の大疆創新科技(DJI)のドローンは、高精度なフライトコントローラー、GPSで位置情報を認識し、見失ってもボタン一つで戻ってくる機能や、障害物の自動回避、画面上に映し出されたものに自動で追従する機能がついていたりして、他社の追随を許さないほど、民生用ドローン市場では極めて高い製品評価を受けています。

 

中国のドローン市場は、当初の軍事分野から広く消費者分野・民用市場で急速に成長し、中国のドローンは世界をリードするアドバンテージを持つ、「Made in China」に躍り出ています。市場規模は、年率平均60%成長のピッチで拡大し、2016年に91億元、2019年に278億元になり、2023年には1000億元の規模になると分析されています。

 

更に、中国航空輸送協会の統計によると、ドローンのユーザーは、2019年の民生ドローンの営業許可を取得している企業は、2018年から3,100社増え、前年比76.56%増、7,149社になりました。登録ドローン数量は、2018年から107,000機増え、前年比37.5%増、392,000機になり、またドローンパイロットライセンス 所持者は、2018年から22,645増、前年比50.8%増、67,218人になりました。

 

産業用ドローンは、農業、林業、環境、資源エネルギー、消防、救援、治安維持など幅広い用途があり、特に、農業用ドローンは、大疆創新科技(DJI)と極飛科技(XAG)との2社で9割近くのシェアを占め、近年最も急速に普及している農業用の自動化機械であり、かつては人手で行っていた種播、施肥、農薬散布などのさまざまな農作業を効率的に肩代わりしています。

 

世界市場を席巻する中国のドローンは、新たな貿易摩擦の火種になるかもしれません。

(前瞻産業研究院等の資料を整理)