14億人を突破した中国、気になる第7回人口調査の結果

中国の国家統計局の発表によると、2019年末の中国の総人口(台湾や香港、マカオを除く)は前年末と比べ467万人増え、14億人を超える14億5万人になり、一方で人口抑制のための「一人っ子政策」廃止から4年となりますが、出生数は3年連続で減少し、1465万人と58年ぶりに1500万人を割り込み、65歳以上の人口は同945万人増の1億7603万人で高齢化も進み、少子高齢化が顕著になってきています。

 また、昨年11月1日に始まった第7回全国人口調査は、現在集計作業が行われていますが、世界で人口の最も多い国、また2番目に大きい経済体として、10年に1回行われる人口調査は重要な国勢調査であり、中国の人口やその構成、分布等の最新状況を把握し、それを基礎に今後の収入や消費、教育、就業、養老、医療、社会保障等に関する政策が策定、見直しがされ、その調査結果が注目されます。

これまで6回(第1回:1953 年/5億8260万人、第2回:1964 年/6億9458万人、第3回:1982 年/10億818万人、第4回:1990 年/11億3051万人、第5回:2000 年/12億4261万人、第6回:2010 年/13億3281万人)の人口調査が行われています。

前回の調査結果から、中国はマクロ経済に及ぼす影響する人口動態に対する認識、危機感を強め、例えば「未富先老(高所得国に移行する前に高齢化が深刻化する)」という言葉を頻繁に使うようになり、また1970 年末から実施してきた「一人っ子政策」の規制緩和を行い、現在では「二人っ子政策」に見直されたことから、その証左といえます。

人口動態の急速な変化は、中国社会科学院の専門家によっても、「人口のマイナス成長が始まる時期を以前は2030年以降と予測していましたが、『2027年以降』に見直した」と述べ、前の予測より早まりマイナス成長になる可能性があるとみられています。更に、中国民政部は、「2021〜25年までの5年間に60歳以上の高齢者人口は3億人を超える」と指摘し、「少子高齢化」が急速なペースで進んでいることを明らかにしています。「総人口に占める65歳以上の割合が14%を超える」社会を「高齢社会」と定義づけていますが、中国の民間シンクタンクでは、「2022年に総人口に占める65歳以上の割合は15%以上になる」と予測し、中国もまもなく「高齢社会」に入ります。

日米等先進諸国が「高齢社会」となった時点の1人当たりのGDPは、20,000ドルをはるかに上回っていましたが、これに対して中国の1人当たりのGDPは10,000ドル程度にとどまっていますので、中国社会は「豊かになる前に老いる」という事態に直面しています。また、日本では、生産年齢人口が1995年、総人口も2011年から減少し、人口動態が経済成長にマイナスに働く「人口オーナス」が常態化していますが、中国も2015年に人口オーナス時代に突入したのではないか」との懸念が出始めています。

(中国国家統計局等に資料を整理)