干支にみる東洋思想、2021年は「辛丑」

2020年、新たな芽吹きと繁栄の始まりとされる「庚子」から来年の干支は「辛丑(かのとうし)」になります。干支は10種類の十干(じっかん)という、日を10日毎のまとまりで数えるための呼び名「甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)」と、十二支「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12の動物で組み合わせ、60年で一巡し、来る2021年は十干が「辛」、十二支が「丑(うし)」であり、2つ合わせて「辛丑」年が始まります。


「十二支」は紀元前の中国で暦や時間等を表すために使われ始めました。一方「十干」は現代では馴染みが薄くなってきていますが、同じく紀元前の中国で暦や方角を表すために使われ始めたものです。古代中国では、万物はすべて「陰」と「陽」の2つの要素に分けられるとする「陰陽説」と、全て「木」、「火」、「土」、「金」、「水」の5つの要素からなるとする「五行説」という思想があります。五行は古代より哲学、中国医学、占いに多く使用され、 五行理論は漢文化の重要な構成要素です。干支は自然界に存在する全てのものがこれらの要素で構成されているという古代中国思想「陰陽五行説」に基づく暦のことで、本来の干支は十干と十二支を組み合わせたものを指します。


また、古来、干支は『占い』に利用されてきました。東洋思想における時間は未来から過去へと流れます。神や仏も全能の理、大いなる意思によって未来は既に定められていて、それが私たちの元に降りかかってくると考えられました。一方、西洋思想では、時間の流れの概念が逆で、西洋思想における時間は、過去から未来へと流れます。つまり、未来は過去から続くそこに至るまでのプロセスの結果として存在すると考えられています。つまり、「西洋の占い」は未来を良い結果に導くために、今何をすべきかを問うものに対し、「東洋の占い」はこの先自分の身に起こる定められた未来の出来事を知り、それに備えるためのものです。


東洋思想では、言葉や文字に「天意」が宿ると考えられ、干支に使われている文字には意味があります。例えば、2021年の十干である「辛」という漢字は身体的な苦痛を伴う感覚を表し、五行思想では「金の陰」に属しています。これらのことを考え合わせると、「辛」は思い悩みながら、ゆっくりと衰退していくことや、痛みを伴う幕引きを意味しています。次に、十二支は元々植物の循環の様子を表し、「丑」は芽が種子の中に生じてまだ伸びることができない状態、命の黎明、宿る息吹を表し、陰陽五行思想においては「土の陰」に分類されています。更にこの2文字の関係性等を総合的に見ると、「辛丑」は“相生(そうせい)”という関係にあります。以上のことから「辛丑」は変化が生まれる状態や、新たな生命が芽生え始める状態を指し、全く新しいことにチャレンジするのに適した年と言われています。


中国や日本等では、古来より干支や陰陽五行思想等によって、未来を知り、真理にたどり着くための様々な試みがされ、これらを知ることで単に占いということだけではなく、古くから積み重ねられてきた世の理を知ることに繋がると言われ、「干支」を大切にしていいます。

(国立国会図書館HP等を参考に整理)