漢民族は7つの亜種に分かれる?

中国は漢族と55の少数民族から構成される多民族国家である。このうち漢族は全人口の約92%を占め、少数民族人口は1億643万人で、中国全人口の約8%しか占めていない。少数民族の中で、最も人口が多いのはチワン族で、人口は1600万を超えている。最も少ないのはロバ族で、人口は3000人未満。少数民族の分布地域は非常に広く、その居住面積は約616平方キロで、中国の総面積の64%以上にも及んでいる。地理的に見ると、漢民族が大陸の中部から沿海東部にかけて居住し、少数民族人口の多くは、西南・西北・東北・北部という辺境地域に集中して居住している。


中国代謝解析計画連盟(ChinaMAP)は、4月30日、全土29の研究機関と病院と共に、中国最大規模の中国人遺伝子研究の結果を、雑誌「Cell Research」(発行:上海生命科学研究院)で発表した。この雑誌には全国27省・市と8民族、1万人を超える高深度の全遺伝子配列データと表現型の系統性分析に関する報告書が掲載されている。研究チームは、中国の異なる地域と異なる民族を代表する1万588人のDNAサンプルを測定し、ハイレベルな中国の集団別遺伝変異データを作成し、中国人の遺伝学的なグルーピングの構造分析、ゲノムの特徴比較と変異スペクトラムと病原性変異の解析を行った。


この研究は中国の7大地域を対象として、人口のトップ10の漢族、チワン族、回族、満州族、ミャオ族、イ族、チベット族と蒙古族を網羅し、中国人の地理的な差異と異なる民族が持つ、遺伝的背景の多様性と複雑さを現している。また、研究チームは史上初めて、漢民族は7つの異なる亜種、北方漢民族(北京、天津、河南、河北、山東、遼寧、吉林、黒龍江、山西)、西北漢民族(甘粛、陝西)、東部漢民族(江蘇、浙江、上海、安徽)、中部漢民族(湖北)、南方漢民族(貴州、四川、重慶、湖南、雲南、江西)、東南漢民族(福建)、嶺南漢族(広東、広西)に分かれることを示した。


少数民族の中では、チベット族、イ族、蒙古族、ミャオ族、チワン族にいずれも独特な種族としての特徴があり、遺伝的な近似性は、満州族と北方漢族が近く、回族と西北漢族、北方漢族も近い。異なる地域の種族が持つ変異特性は、歴史上の民族移動とも関係している。例えば、「河西回廊」はシルクロードの中の異なる民族が行き交った交通の要衝であり、歴史上、ソグド人(SOGD)などを含む多種の民族が、この地に住んで交易をしていたとみられる。研究により、現代河西回廊地区の人々が持つ遺伝子多形部位数はより多く、複雑であることが明らかになった。また、世界中の他の人々と比べ、中国人の遺伝的特徴はヨーロッパ、アフリカ、南アジア、ラテンアメリカの人々との間に大きな差違があり、アフリカ人との差違が一番大きい。日本人と北方漢族とは遺伝子成分で重なる部分が多いことが発見された。  


今回の研究報告は、中国人のゲノムの特徴を深く掘り下げ、広範囲に研究しており、これまでにない重要な意義を持っている。長い間、中国人の多くの遺伝疾患の研究は、直接外国人のデータと結論を適用してきたが、今後は地域の人々と人種の間の歴史的な繋がりと遺伝的背景に大きな差違があることを考慮する必要がある。

 (澎湃新聞等を参考に整理)