中国でも進む少子高齢化

 2020年1月17日発表された、2019年の実質国内総生産(GDP)成長率は6.1%にとどまり、2018年から0.5ポイントも縮小した。しかし、日本で進んでいる少子高齢化は、近年中国でも問題となってきている。中国国家統計局は、2019年末時点での国内人口は14億5万人に達し、史上初めて14億人を超えたと発表した。しかし、労働力人口や年間出生数は減り続けており、今後中国経済が低迷する可能性もある。  中国の2019年の出生数は、前年比58万人減の1,465万人で、3年連続で減少している。中国では、2016年から一人っ子政策を廃止したが、教育費や住居費の高騰、若者の結婚観・家族観の変化から、出生数は増加していない。合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は、2012〜16年平均で1〜2程度。出産適齢期の女性も25年までの10年間に約4割減り、出生数の減少は今後も続くと考えられる。  また16歳から59歳までの2019年の労働人口をみると、前年比89万人減の8億9640万人。2012年から8年連続で減少している。実はこのわずか3年間で、18〜30歳の若者は3千万人も減っている。90年代に「一人っ子政策が浸透し、99年生まれは1,400万人と90年生まれ(2,800万人)の半分しかない。スマホや自動車、衣服が売れないのは、消費意欲が旺盛な若者の減少も大きな要因だ。  一方、60歳以上の人口は2億5000万人を突破し、2022年からは1962年生まれ以降のベビーブーム世代が退職する。今までは働き盛りの世代が多く、社会保障が必要な高齢人口が少ない状況だったが、今後労働力が急激に縮小していく可能性がある。なぜなら、中国では定年で完全リタイアする人が非常に多いからだ。現在、中国の労働契約法では、男性の定年は60歳、女性は50歳(幹部、専門職などは55歳)と定められている。政府機関や国有企業、大学などに所属した人達は定年後も年金以外の各種手当が出る。大多数の庶民にはそのような恩恵はないが、「頤養天年(晩年を静かに過ごし、天寿を全うする)」という伝統的価値観から、子どもたちの支援を受けつつ、身の丈に合った生活でリタイア後の生活を楽しむ人が多い。  近年、浙江省は人口増加傾向にある。人口の流入は、都市経済を活性化させるが、常住人口が加速的に増加している杭州であるが、養老負担が重荷になりつつある。北京、上海のような第一線の大都市では、戸籍人口の高齢化の度合いが高い状態にあるが、2018年の杭州の老年扶養比は全国レベルより高く、北京を超えている。データによると、2018年の杭州0-14歳の人口は12.6万人で、15-64歳の73.5万人、65歳以上の128.5万人、老年扶養比(65歳以上の人口/労働力人口である15-64歳の人口数)は17.6%で、全国水準の17%を上回っている。  2050年になると、中国では60歳以上の人口が5憶人に達する。医療や年金など社会保障への財政支出も、17年の1.2兆元(約20兆円)から急拡大する。2019年には中国社会科学院が「公的年金の積立金が35年に底をつく」との試算を公表した。少子高齢化に拍車が掛かれば、中国で定年年齢の見直しが進む可能性もあるだろう。

(AFP等を参考に整理)