経済発展に急ブレーキ、中国の労働力問題

 2017年末時点、中国の18歳から44歳までの人口は5億4800万人に達している。中国メディアによると、この世代の人口は2022年には5億1800万人まで減少すると予想されている。日本では、16歳から64歳が生産年齢人口とされているが、中国は一律60歳定年なので、16歳から59歳までが中国の生産年齢人口とされ、上述の18歳から44歳までの人口は「働き盛り世代」と呼べる。中でも、労働参加率の全体的な低下の約35%が16−22歳の参加率低下によるものになると考えられており、若年層の減少が深刻な問題となっている。これは最も活力ある労働力がわずか5年で3000万人分も減少することを意味している。中国は高齢化と少子化も急激に進んでいることから、2050年までに65歳以上の高齢者が人口の32%を占める可能性があり社会の高齢化という問題も目前に迫っている。

 

 中国の生産年齢人口のピークは2011年で、2012年から生産年齢人口減少し始めている。これをGDP成長率と見比べてみると、2012年から経済成長率が低下し続けていることから、中国経済の減速と、生産年齢人口の減少は連動関係にあると考えられている。中国経済の成長率が数年連続で前年を割り込んでおり、これが労働力人口の減少に関連していると指摘されている。少なくとも今後15年間は、生産年齢人口は減り続けることになり中国経済にとって大問題となる。2015年に中国は一人っ子政策を事実上廃止したが、全面的な廃止となっても生産年齢人口は、今後15年間は増えない計算になる。

 

 実際、出生率は1960年代中ごろから低下を続けており、現時点では人口を維持できるだけの水準すら割り込んでいると考えられている。一人っ子政策が完全に廃止されても、現代中国人の子どもを産み、育てるという意識は日本同様低下しており、人口減少は日本や韓国だけでなく、中国にとっても深刻な問題となっている。また、労働人口の減少が継続すると、安定的な公的年金制度を維持することが一段と難しくなると指摘する専門家もいる。

 

 専門家は、一人っ子政策を即時完全に廃止する必要があると指摘している。また、一人っ子政策の廃止だけでは労働力人口の減少を食い止めることができないとの見方を示している。それは、経済発展に伴い、養育コストの増加に伴う出生率の低下が自然的な流れであるためである。そのため、東南アジアなどからの移民を受け入れる対策も早期に講じる必要があると指摘。広東省や浙江省など沿海地域の大都市で、ベトナムやフィリピンなど東南アジアのほか、アフリカからの労働者が多く働いており、今後はこの傾向が一段と進むと予測されている。


※「労働力不足のピークが迫る」等を整理

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