シルクロード経済圏構想「一帯一路」

「今世紀の偉大なプロジェクトになるかもしれないし、価値のないものとなるかもしれない。だが、何であれ、部外者ではいられない」

〜今年4月、香港で開催された「一帯一路会議」のある出席者のコメント〜

 「一帯一路」構想は、海と陸の2つのルートから、アジアから欧州までを結ぶ大胆かつ巨大なプロジェクトです。世界人口の65%、世界経済の約40%を占める少なくとも70ヶ国に及び、数多くのインフラ・エネルギー計画を効果的に進め、こうした計画に必要な原材料を供給する炭鉱や石油・ガス田の開発も重要な位置を占めています。第2次世界大戦後の欧州を復興するため米国が推進したマーシャルプランに例えて、中国版「マーシャルプラン」と見る一方、開発途上国で展開する「新植民地主義」、中国周辺地域で構築が企図される「新時代の朝貢システム」といった見方があります。 中国が発展すれば日本も発展し、日本が発展すれば中国も発展するのが日中関係であり、日本にとっては、この「一帯一路」と自由貿易体制と連携していくならば、日本にも大きな恩恵があります。

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浙江省の一帯一路 (陸路の義烏と海路の寧波)

 浙江省には、陸路では欧州と結ぶ「義新欧」の義烏があり、海路では「寧波-舟山港」の港湾があり、正にゲートウェイがあります。

 海上シルクロードの玄関口である寧波-舟山港は、2017年に一帯一路建設総合試験区の認定を獲得し、同年のコンテナ取扱量は世界第4位、貨物取扱量は10億トンを突破しました。今では、古代海上シルクロードの出発港の一つである寧波-舟山港は、21世紀海上シルクロードの国際ハブ港となり、世界の600以上の港湾と繋がり、242本の航路を開いています。2016年の寧波と一帯一路沿線国・地域との年間貿易額は248億ドルに達し、2017年1月から10月まで寧波の一帯一路沿線国への輸出額が1044.6億元、前年同期比15.0%増、その内、中東欧諸国への輸出額は、141.8億元、前年同期比22.7%増に達しています。

 一方、陸路の「義新欧」列車の出発・到着駅の義烏には、世界最大の日用雑貨卸売市場があり、世界中のバイヤーが多く訪れ、日本でもお馴染の100円ショップ等の商品の多くはここから出荷されています。「義新欧」列車の目的地であるスペインのマドリードは、欧州の日用品の集散地と言われています。「義新欧」列車が運行することで、双方の商品・貨物の輸出入コストが下がり、輸送効率が高まり、浙江省や中国の商品がよりスムーズに海外展開できることや世界の商品を浙江省に集めることができるメリットがあります。2016年の義烏の輸出入貿易額が2229.46億元に達し、一帯一路の沿線国への輸出額が159.5億元、同年期比6.2%増加し、輸出総額の51.9%を占めています。

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